Wikivoyage:地理的階層

旅を考えるとき、地理はひとつの切り口になります(他の視点(英語版)も)。日本語版ウィキボヤージュは地理的な階層(ヒエラルキー)に基づき記事の配列を決めており – それぞれのページが記述する地理的エリア、さらに上位の項目はどのエリアの記事かなど、親子関係にまとめてあります。地理的な階層ごとに、その階層を述べる記事を置きます。

目的

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階層のポイントは、地理的な良さにとらわれることではなく、作業の整理です。ウィキボヤージュでは、何について記事を書くのか? 私たちの議論の主題は何か? 特定の主題についてどのような記事を書くか? 地理的単位を階層に分けて使用すると、記事つまり主題の記述内容を識別でき、書き方を決めることができます。

たとえばカタロニア(英語版)を例にして考えてみましょう。寄稿者は階層を理解すると、カタロニアが「地方」(英語版)であると知った上で、その記事はWikivoyage:地方の記事のテンプレート英語版)を下敷きにするものとして書き始めます。この地方にあるバルセロナ(英語版)など都市へのリンクを書くこと。また英語版)としてスペインen:Spain)にも、カタロニアの記事へリンクを作るはずです。あるいはまた記事に「書くべきではない」ことを理解し – お金の情報は国レベルで述べ、レストランやホテルのリストを記すのは「地方」ではなく都市レベル(英語版)がふさわしいのです。

階層を設定すると世界のすべての地域に応用でき、いちいち理解する必要はありません。確かにどんな場所にも例外はあるものの、大まかなガイドラインを用意しておけば、それを枠組みにして例外を作成できます。

この階層の各層は難しくないしガチガチに拘束するものでもなく、また改訂の余地もあります。それでも特定の階層レベルの記事から次のレベルにリンクがあること、同じ階層の記事なら構成がほぼ同じであれば、理にかなっています。

地域階層を変更すると、影響が広範囲にわたりがちなため、事前に適切な地域のトークページ英語版)で変更を提案し議論すると役に立つことがあります。

階層

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ウィキボヤージュの地理的階層の仕組みは次のとおりです。

この階層の中で、特定の層がその場所に該当しないなら、スキップしてかまいません。一例としてアンドラ英語版)という国は総面積が数100km2のため、上記の地理的階層をすべて記事にしようとしても、話になりません。

大陸

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大陸とは地球の広大な部分を指します。ウィキボヤージュの創設時にはアジアアフリカ北アメリカほかから執筆が始まりました。大陸を主題にしても、実際のところ、たとえばアジアに関して旅行に役立つ実用的な情報はそれほど書けないかもしれませんが、コンテナとして下位の階層の記事をまとめる役割はあります。

大陸の区分

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ここでいう区分とは旅行者の目から見て理論的に大陸を分けた部分を指します。古くからの例には東南アジアや中欧(英語版)が含まれます。どの大陸も区分に分ける必要はなく、あるいはまた、区分は国境による分割と重なることもあります。その例として北アメリカ大陸をカナダ(英語版)、アメリカ、メキシコ(英語版)と中央アメリカ(英語版)に分けますが、最初の3件は独立国なので、大陸の下位に置くのは理屈に合っています。ごくまれに、この区分をさらに細かく分けることがあり、北アメリカのカリブ海(英語版)にある小アンティル諸島(英語版)とリーワード・アンティル諸島(英語版)は、たくさんの独立国や地域(訳注:委任統治領など)の集合体です。

の階層は省略できません。通常、地球上の独立国の領地が「国」で、ジブチ(英語版)、フランスブラジル英語版)がその例です。国のページとは通貨や入国手続き、言語や文化を説明する階層になります。

特定の国、たとえばモナコ英語版)やシンガポールのように、国土がとても小さく、ほぼ都市サイズだと見なすことさえできそうです。こういう場合も国のスケルトンを使い、見出しのうち「都市」「他の目的地」Other destinations は除去し、代わりに本来は「都市」の階層に置く見出しの "Go next" を加えます。将来的にページの内容が充実した段階で、都市の記事を分割するという考え方です。

地方

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地方(region)は気候や文化、地理または政治上、首尾一貫した地方行政区画です。地方は国境に沿って—アメリカやカナダの州、フランスの県など—配置される場合と、多くの場合はこの階層を上回っています。たとえばベトナムを北(英語版=ハノイとその周辺)、中央海岸(英語版=ダナン、ホイアン、ナートラン)、中央高原(英語版=ダラットと周辺)、南(英語版=サイゴンとメコンデルタ)に分割できます。地方は多様であるため、地方区分に単一のルールはないので、旅行者に意味があるかどうか英語版)に最善を尽くすこと以外にありません。

重要なのは、地方の階層は既存の区分だとコンテンツが多すぎる場合に限定して作ることです。結果としてウィキボヤージュの地方階層は、必ずしも公式の区分に準拠するとは限らず — しかもしばしば、公式の政治または行政区画よりもはるかに「中立的」です。9件以上の都市その他の目的地があり下位区分に分割してもあまり意味がない場合は、リストが長くなりすぎるのを防ぐためにも、地方の記事にグループ化できます(Wikivoyage:都市のテンプレート英語版)を参照)。

地方が国境を越えることは不可能ではない—好例はヒマラヤ英語版)—とはいえ、基本構想は国の階層を旅行用に区分することです。また水域(英語版)は通常、「地方」とは見なされませんが、ケースバイケースで例外を設けてよいのです。階層に従わない地方には専用の「Wikivoyage:階層外の地方」(英語版)というラベルが付きます。

大国の場合、地方の下に複数の地域を含めることが可能で、まとめることで把握しやすくする必要があります。たとえばアメリカだと行政区分は50件(州)に加えてワシントンD.C.英語版)やグアム英語版)などの特別区を数えるとさらに多く、おそらくは一度に把握するには多すぎるかもしれません。そこでアメリカの扱いは10〜12の地方とし、それぞれの地方には最低1件の州を含める形にまとめてあります(それぞれの州も地方に区分)。他の国で(上記のように)これを行うと合理的かもしれませんが、行政区分に沿った分割は必ずしも必要ありません。

一部の地方は統治国から地理的に離れていたり(フランス領ガイアナ(英語版)、イースター島英語版)など)、特別な政治的地位があり(スヴァールバル諸島英語版)、香港英語版)など)、または広く公認されていなくても主権を主張しています(パレスチナ自治区(英語版)、ソマリランド(英語版)、台湾英語版)、トランスニストリア(英語版)など)。これらの地域を国または地域として記述するか、あるいは地理的または政治的立場によってグループ化するかについて、ウィキボヤージュには一貫したポリシーがないので、旅行者にとって意味のある英語版)区分にするべきで、特に交通機関英語版)と出入国管理英語版)に関しては注意するべきです。たとえばフランス領ガイアナ(英語版)の場所は南アメリカ英語版)にあり、政治上の区分ではフランスにふくまれるものの、ほとんどの旅行者にとって意味があるかどうかを優先して「南アメリカの国」と記述します。スヴァールバル諸島英語版)は入国に制限はないもののノルウェーの管理下に置かれ、スヴァールバル行きの定期便の乗客は全員、発着地ノルウェーのパスポート・コントロールを通過しなければなりません。したがってスヴァールバルはノルウェーの地方として説明してあります。台湾英語版)とトランスニストリア(en)は機能上は独立し独自に国境を定めていることから英語版では国として記述していますが、だからといって記事の階層は政治的な支持を意味していません。Wikivoyage:公平であること英語版)を参照してください。

都市

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ウィキボヤージュにおける都市とは、現実の地理として旅行ガイドの単位となるものです。旅行者が着き、観たり泊まるところを探したり、食事どころで食べたりして、観光が終わったら次へ移動する場所のことです。 ウィキボヤージュでは「都市」をかなり柔軟に定義しています。現実には複数の都市のまとまりの場合もあれば、ロサンゼルス英語版)やパリなどの広い「大都市圏」(メトロポリス)で周辺都市や衛星都市を抱えるものも指します。あるいはまたツェルマット英語版)やパンムンジョン(板門店、英語版)のように「小都市または町村」を都市として扱うこともできます。ときには都市レベルの行き先に広く郊外地が含まれ、小さな村や集落、公園ほかをまとめるコンテナ(容器)として機能することもあります。特定の都市周辺部、衛星都市、町村ごとにウィキボヤージュの記事を設けるかどうかは、個人の判断対象で – 通常はその場所に書きこむ情報量が決め手になります。そこで都市の情報量と複雑さを反映できるよう、いくつかのテンプレートを用意しました。

ウィキボヤージュに載せる情報の大部分は、特定の都市が主題で – 料金と所在地の情報が書いてあります。詳細は「記事とは何か?」(英語版)に都市自体と都市内の見どころの線引きのヒントや、国立公園など人家がない目的地の扱い方が示してあります。

地区

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都市によっては巨大で多様性に富むあまり、ウィキボヤージュの単体の記事としては書くべき情報が多すぎる場合があります。それなら、そういう都市を「地区・区」に分割し、実用的な情報 – ホテル一覧やレストラン、バーや観光名所 – をきちんと記述できるようにするほうが理屈に合っています。実例として英語版ならサンフランシスコ英語版)の場合、1つの都市をゴールデンゲート地区(英語版)、テンダーロイン地区(英語版)、ミッション地区(英語版)に分けてあります。

特定の都市をさらに細分化して地区・区を作るかどうかは、都市の物理的なサイズではなく記述内容で決まります。ルボック英語版)は地理的に大都市ではあるものの、「巨大都市」として扱うには書くべき「ことがら」が少なすぎるため、わざわざ地区に分割することもありません。

その他の区分

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観光名所(attractions)や食事どころ、出かける先には、上記の区分ではうまくフィットしないものがたくさんあります。特に面積が広大なところ、たとえばモンゴメリー郊外英語版)や西バルバドス英語版)などがそうで、小都市に独自の記事を作る利点はない—記事数をむだに増やしページ数が細分化されて全体像が深みにくくなる弊害—代わりに、大きなくくりの中に記述できるメリットがあります。その他の区分は本質的に、私たちが決めた「都市の記事」に適合しない場所を意図的にまとめてあります。節の名前は、それぞれの性質を最もよく表す名前を選びます:「地域」もありかもしれません(「地域」とは前述のやはり他の記事をまとめた「地方」という記事とは別であり「その下位階層ではない」点に注意)。あるいは「農村地帯」にして名前どおりの場所に適用します。あるいはまた、それほどすっきりとした特徴がないなら「その他の領域」、場合によっては小さな都市や町とその周辺の農村を1つの実態として扱うほうが理にかなう場合もあります。それが役に立つなら、他の階層を「階層最下位の地域」と考えて、リスト形式を容認することもできます。

ほとんどの場合、「面積は広いが集落が分散しているエリア」にはWikivoyage:郊外エリアのテンプレート英語版)を当てはめるか、あるいは小規模な集落や都市の集合体に見立ててWikivoyage:小都市の記事テンプレート英語版)を使います。

そのほかに記事の特殊な区分を当てはめるものがいくつかあります。Wikivoyage:空港の探検英語版)にはWikivoyage:空港の記事テンプレート英語版)が採用されます。また県立や国立の広大な公園には、Wikivoyage:国立公園の記事テンプレート英語版)が便利です。

サンプル

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このページで説明した地理的階層の例を、次のサンプルに示します。

それぞれの記事ごとの階層は自動で記事のページ上部にあるナビゲーション・メニュー(パンくず=breadcrumb、英語版)に表示されます。一例として、カストロ通りでは次のとおりです(カストロ地区とも、ウィキペディア)(この記事はまだ作成されておらず、日本語版Wikivoyageで通りの記事を作成する必要があるかについてもまだ未定。このパンくずリストは英語版のもの)。

北アメリカ > アメリカ合衆国 > カリフォルニア > ベイエリア (カリフォルニア)英語版) > サンフランシスコ英語版) > カストロ - ノエヴァレー英語版

このメニューを作成するにはisPartOf タグを正確に記入する必要があり、詳細はWikivoyage:パンくずリストをご参照ください。

また、国ごとに行政区分は異なります。海外の記事を執筆する際には特にこの壁に直面し、どういった記事をどの階層に作ればいいのか、わからなくなります。こういった海外の国の階層についてはWikivoyage:地理的階層/各国の地域区分を参照するといいかもしれません。

地理的単位を分割する

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地理的区分の分割は功罪両面があります。注意して一般常識を使い、可能なら共同作業で実施します。このページに示した地理的な単位は、たとえば国と都市のように行政区分に重なっており、取り扱いがわりあいに楽です。他のものは一般によく定着しており、大陸のように議論の余地はほぼありません。それ以外は – 大陸の区分、地方(regions)や都市の中の地区 – は境界や定義がもっと曖昧です。では、何を基準に定義を決めたらよいでしょうか?

目安となるものをあげます。

  • 7 ± 2 ルール英語版。ウィキボヤージュでは階層は、それぞれに書き込む項目の数で大まかに分けることが可能です。常識的に7項目、その上下に2件ずつ加減するのが目安になります。分割しても5項目以下だと不十分で、わざわざ分割するまでもないように見えます。9件を超えると、読者は個別の項目の違いを判断しにくくなります。そのように考えると、下位項目が9件超なら、中間層として分割を検討するとよいでしょう。そうは言っても、1つのページに9件超を盛りこんではいけないという意味ではありません! ときには論理的な分割の理由がなくても他の分割案が成立しない場合があり、特に階層のいちばん下にはありがちです。要点は、地域(regions)を分割する根拠として旅行者の視点(英語版)を最優先し、「7±2」ルールから外れてもかまわないと考えてください。
  • 伝統的な定義。地域(regions)や大陸の区分、地区には伝統的な定義があり、その例はベネルクス諸国(英語版)、湖水地方(英語版)、アメリカの南西部(英語版)など。旅行者にわかりやすく、できるかぎりこれらのまとめ方に従います。
  • 行政もしくは法定の区分。国によって州、県、郡、カントン(cantons)など政府が決めた区分があります。その地域を分割するのに最適であれば、行政区画に従うとよいし、数が少ないなら大まかに「7±2ルール」に適合しません。一例としてメキシコ(英語版)には32州あり — これらを一括りにして、最上位の区分とするには多すぎます。
  • 地理学。場所によっては地理的な特徴がはっきりしていて、旅行者にも土地柄の特徴やどんな活動が楽しめるか、ある程度、予想がつきます。一例としてen:Finger Lakes あるいは en:Saxon Ore Mountainsがあげられます。
  • 言語や文化の定義。国によって住民の使用言語や民族ではっきりと区域を分けています。その例がベルギー(英語版)で、オランダ語話者のフランドル(英語版)に対してフランス語圏のワロニア(英語版)があります。

都市の地区

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特定の都市を特別都市(英語版)として、その下に区分を設けるかどうか判断するのは、難しいです。無制限に地区分けして記事を書くのは簡単でも、それを整理したり連携させるのは気が遠くなるような作業だし、まさに悪夢です。そのため、地区に分割するかどうか考える上で推奨事項があります。日本語版Wikivoyageでは、地区の記事はあまり推奨されていません。大阪市などの一部の大きな都市以外では、地区を独立した記事として成立させる必要はないと思われるからです。

  • 内容が充実するまで、都市の分割はしない。
  • 都市の下位に区分を置くかどうか、合意形成するまで区分を作らない。地区間の空白や重複のないプランを立てること。
  • 共同作業者を少なくとも1人確保できるまでは、メインの記事から地区の記事へ情報を切り出さない。メインの記事の各節を編集する必要があり、地区の記事に書いた内容から最も価値があり関連性の高いものを選び、メインの記事に結びつける作業を引き受けてくれる人が必要。
  • 地区のページに書く内容が十分にそろうまで、地区のページ作成を待つ。
  • ページの内容を育てて地区のページ作成に備えるには、メインのページに小見出し(観る、する、食べる、泊まる)を立てて記述していく。

内容が充実したところで、それぞれの情報をどこに振り当てるか、明白にします。地区のページを作る準備には次の各項を検討してください。

  • 分割する地区の境界線を明確にする。理想としては地図上にその地区を示すことが望ましい
  • 地区の境界線について、地区ページのトークページに投稿する。

地区のページを新しく作成したら、listings をすべてメインのページから地区のページへ移動させます。メインのページの節ごとに、見出し直下にテンプレートの {{movetodistrict}}を置き、地区へ移して跡地の整理作業が必要だと示すのも考えてください。そうすると他の編集者にメッセージが伝わり、内容の移動を始めてくれるかもしれません。内容の移動が終わったら、movetodistrictテンプレートを忘れずに除去します。

行政区分と旅行界の地名

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法律上の世界の地理区分—国、県、都市–がそのまま、旅行者にとって理屈に合う区分かどうかはわかりません。政府が国を治めるために地図の上に線を引き、行政区分の線引きをしても、ウィキボヤージュに行政区分ごとに記事がなくてもかまいません。メキシコのバハ・カリフォルニア半島は確かに南と北で別々の州に属しますが、ウィキボヤージュの記事の目的に照らすなら、南北をひとつにまとめた記事(英語版)で充分です。

重複

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一般にふたつの目的地ガイドの間の重複を避けるように努め、片方がもう片方の中に存在する場合は例外とします。ガイドの内容が重複してしまうと、読者は旅行情報をどこで手に入れたら良いか、あるいは寄稿者はそれらの情報をどこに書けば良いのか混乱してしまいます。あるいはまた、目的地が重複していないほうが地図(Project:Mapmaking Expedition)を描くにも問題がありません。

地理的階層が同じなら、ふたつの地方は絶対に重複させないでください。そうは言っても地方の中の区分の親項目が複数あることはしばしばで(例=ロシアアジアでもヨーロッパでもある)、ふたつの親項目の両方に内容が大幅に重ならない限り という条件付きで、ひとつの地方を記述しても問題はありません。その場合でも、特定の地方のパンくずリストのつながり(breadcrumb trail)は地理的階層をきちんと守り、親項目はつねに1件だけです。

ときには特定の地方にたいへんよい記事ができたのに、政治上、ふたつの国や州、県のどちらに帰属するか、問題になることがあります。こういう事例では通常、そのような地方をひとつのまとまりとして扱い、不自然に分割しないままにしておくほうが賢明です。

実例を見てみましょう(訳注:いずれも英語版の例)。

空白地帯

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地方あるいは地区の区分には、空白地帯(ガイドの漏れ)を残してはいけません。ウィキボヤージュは「現実世界」のガイドであり、この地上のどんな場所でも、旅のアドバイスを記入できるようにするためです。

遠隔もしくは到達不可能な目的地

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大海の島、遠隔の領土や飛び地など遠隔の目的地には、定期運行の交通機関や宿泊施設がないこともしばしばで、入域が法的に制限されている場所もあります。標準的な旅行者の旅先という関心の対象ではなくても、記事として蘊蓄(うんちく)を得るという価値はあるかもしれません。上記の目的地は地理的階層になじまないとして、どこかに分類する必要があります。それぞれの上位の記事に「パンくずリスト」という一覧記事(ウィキペディア)があり、そこに記すときに遠隔地もしくは到達が非常に難しい地点であると書き添えます。

  • 南極は周辺の島嶼をふくめて大陸としてあつかう。
  • 遠隔地のうち、とくにを分類するカテゴリはその他の目的地
  • 海外領土(本土から離れた土地)の割り振りは(行政区分ではなく)地理的な区分にふくめます。一例としてアメリカ領バージン諸島 (英語版)はどの階層にふくめられるかというと、北アメリカです。
  • 人がロケットに乗る宇宙やアポロ計画の面の探査は特例。振り分ける先はその他の目的地もしくは旅の話題を選択。
  • 本国からあまり離れていない在外領土は、本国の地方に分類してください。一例としてヤンマイエン島 (英語版ノルウェーの子記事です。
  • 場所によっては特定の大陸の一部に含めましょう。ユーロパ島 (英語版グロリオサ島 (英語版は、二次的な「国や地域」欄に東アフリカの島々英語版)とします。
  • 非常に面積の狭い島嶼、たとえばロッコール島ウィキペディア)、あるいは遠隔地の人工物を国土とするシーランド公国の単独記事を立てるのは難しくても、近隣の都市フィーリックストウ (英語版の記事内で名称と簡単な内容を記しましょう。
  • 日本語版ウィキボヤージュでは旅行者としては到達不可能な場所のガイドは原則として書きませんが、という記事があります。月は、行くことを強く希望しておりお金もたくさんあれば旅行に行けるレベルまで進んでいますので、現状では対象者がごく一部でも旅行先として認識することができるために記事を作っています。月の記事の中では月を4つに分け、それぞれについて解説しています。それ以下の階層は有りません。

記事どうしのリンク

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対象が都市でもどこでも、記事は必ず1回は地方の記事内の一覧に記述し、地理的な階層をたどってそれぞれの地点へと行き着けるようにします。地方の記事には「都市」という見出しを必ず立て、それぞれの都市、あるいは必要なら町や村などを書いておきます。すると、通常はIsPartOfテンプレートに書かれた1つ上の階層の記事と地方の記事が一致するはずです。国立公園やその他の有名な観光地などで単独の記事がある場合は、「観る」や「する」などのセクションの中でvCardを使用してリンクします。

それぞれの地方は、地理階層の1層上のページにも、また「地方」にあげた目的地すべてにも記入します。

もしも複数の目的地が距離的に近いのに1層上の地方が異なる場合は、それぞれの「出かける」で紹介すると利便性が高まります。

分割はほどほどに

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場合により、区分を細分化するよりもまとまったままにしたほうが適切なことがあります。ある土地で地名のついたエリアがあるからといって、いちいち記事を立項するのはやめましょう。地理的な単位を記事にする場合は、Project:記事とは何か? (英語版にも適合するかどうか確認してください。新規の記事には主題に十分な奥行きがあり、最低でも「出かける」欄に 4 から 5 箇所、特に「地方」region には適切な見どころや観光名所が書けるかどうか検討します。

関連項目

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  • 記事名の付け方 — その土地のサイズを把握したところで、これらの規約に従うと名前を決めやすくなります
  • 各国の地域区分 — 国ごとに行政区画は異なります。このページでは執筆者用に各国ごとの地理的階層をまとめてあります。