Wikivoyage:記事とは何か

Wikivoyageが首尾一貫するように体裁を整えるには、ガイドラインを設けて特定の主題が記事になるかどうかを照らします。ここでは互いに矛盾する原則が2つ関わってきます。

  1. それぞれの記事は自己完結型が理想。旅行者は必要なページだけプリントアウトしてポケットにでも入れて置き、あちこちで取り出しては活用できます。
  2. それと同時に、記事はあまり長くなってしまうと、読むのもプリントアウトするのも使うのも、不便になります。

そこで、ここではどんな主題が記事になるか判断するため、大まかな線引きを示してあります。いずれも臨機応変に当てはめればよいのですが、よほどしっかりした理由がない限り、これら原則を守るようにお願いします。

目的地型の記事の成立条件

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場所の種類が記事に値するかどうか判断するには、最も一般的で迅速な基準として「そこで寝泊まりできるか?」と自分に尋ねてみることです。つまりホテルやホステル、キャンプ場やキャビン、先住民のウィグワムパオから宇宙ステーションのベッドなどのような、一般の人が利用できる宿泊施設はありますか。一方で国立公園ほか、宿泊施設はなくても規則を守って荒野にテントを張るのも対象ですが、他方、ロンドンなど都市ではホテルその他の宿泊施設は数多く存在し、美術館や公園はふだんなら寝泊まりを認めていません。言い換えるなら、都市の記事では後者の公園や美術館を「観光スポット」に分類しましょう。

とは言うものの、旅先では眠るだけじゃないですから、記事のセクション(見出し)ごとにどんなコンテンツを記入するか、基準があります。実際にその場所に行ってみたら食事をする場所がない、するべきことも見どころも何もないなら、その記事はこの方針が定める基準に満たないのではないか。そういう場合もウィキボヤージュの旅人にとってふさわしい目的地なら、かなり融通をきかせて少数の小さな村をまとめて1つの大きな記事に編み上げたり、巨大な都市を分割し、管理しやすい規模の複数の地区として育てたりしてきました。

先ほどの「そこで寝泊まりできるかどうか」と言う問いは、あくまでもガイドライン です。目的地によっては特定の地域を適切なサイズの複数ページに割って、ホテルのない記事が1つだけ残ってもよしとしましょう。特定の地区に安全または清潔な宿泊施設がなくても、あまり悩まずに注意点としてその事実を指摘し、次へ進むとしましょう。

記事が できる 主題とは?

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地理的な単位のうち地理的階層にあるものは固有の記事を作るべきです。下記のものは必要な記事に含まれます。

小さな村や集落はリダイレクトを使って最寄りの都市の記事にリストとして統合したり、複数をひとまとめにしたりするとよいようです。

もし地理的単位を分割する場合、Wikivoyageにおいて「都市」または「地域」の境界線は行政上の区分と重ならなくてもよい点—国と県、都市と都市など—つまり県境や市境はあくまでも行政府が政治を運営する目的で引いたものである点をお忘れなく。もし郡部に空港があり、最も利用される大都市の一部として組み込むのが合理的なら、実行します。面積は広大でもアンティコスティ (英語版) 島のような過疎地なら、観光スポットの数が少なければ島全体を目的地1ヵ所と数えて構いません。その代わり、モントリオールなどあまりにも巨大な都市は、必要に応じて複数の地区をまとめ、ページ編集がやりやすい大きさに分割します。地理的な単位は、充実した目的地や見どころが4、5ヵ所まとまる程度の広がりを持ち、またダラダラと長いリスト (英語版) ではなく、グループ分けをした上で重複や空白地帯を作らないようにします。

独自の記事にならない 主題とは?

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個々の見どころは(一般に)独自の記事にするべきではありません。そういうものの情報は所在地のガイドに記載するべきです(あるいは人里離れた場所にあるなら観光地の最寄りの目的地のページ)。重ねて示すなら、記事に値するものかどうか、さっと評価する優れたツールはそこで寝泊まりできるかと自問する選別法です。非常にまれな場合(後述)を例外中の例外として除外すると、以下の個別の主題に独自記事はあってはならないのです。

  • 小さいまたは人口の少ない村や集落で、文化や自然の見どころやおもてなしの場がない。そういう地名は、選択肢として近隣または周囲のコミュニティにリダイレクトする(英語)、または単一の記事に同類のコミュニティをまとめた記事のサンプルとしてモンゴメリー郡の都市近郊(英語)があるし、ウィキボヤージュではスリナムの熱帯雨林(英語)は周辺のコミュニティをまとめた構成で、ウィキペディアの中央スリナム自然保護区という記事とは対照的です。
  • 企業で事実上の 寡占状態を保つもの、または国有企業(ホテル、レストラン、バー、店舗、ナイトクラブ、旅行代理店、航空会社、鉄道またはバス運営会社など)。寡占企業の社名が頻繁にウェブ検索で入力されるなら、その企業名をページの題名にして関連する記事へリダイレクトする方法があり、例えば鉄道会社のアムトラック(英語)は「アメリカの鉄道旅行」(英語)へリダイレクト。
  • 美術館や博物館、彫像その他の芸術作品や展示施設。世界的に著名な大英博物館(英語)ルーブル美術館(英語)スミソニアン協会(英語)などの機関は認められますが、一般の博物館・美術館はリダイレクト先に設定すべきではありません。
  • 都市公園、町の広場または街路。サンフランシスコのカストロ・ストリート(英語)やシンガポールのオーチャード(英語)のように、街路の名称に「ちなんで名付けられた」地区も独立対象になります。また重要な遊歩道や道路、幹線道路の例として、アラスカ・ハイウェー(英語)またはオックスフォード州遊歩道(英語)なども同様。
  • フェスティバルやイベント。対象外は、F1レース(英語)やオリンピック(英語)など、大規模な国際イベントだが執筆時点はまだ実施前の場合。
  • 交通機関、駅または通常ダイヤは対象で、ノルウェーの貨客運輸会社のフルティグルテンのサービス網(英語)などは旅程として適格で記事にできます。
  • 人物、生物、物体または旅行に関係のない概念。ただし例外として著名人を旅程や旅行の主題に採用する場合もあります。例:マルコ・ポーロの足跡(英語)、児童文学者のアストリッド・リンドグレーンゆかりの地めぐり(英語)
  • 水域。ただし実際はもう少し複雑で、Wikivoyage:水域 (英語版) を参照してください。例えば水域に「ちなんで名付けられた」都市や陸地地域があり、レークプラシッド(英語)やサグネ・ラック・サン・ジャン地域(英語)などは記事の対象。あるいは旅の話題や旅程としてダイブガイド(英語)は重要な水路をめぐる記事にでき、ミシシッピー川(英語)やオンタリオ湖と結ぶリドー運河(英語)、エリー運河(英語)などは船旅の対象として記事になります。
  • 無人島。
  • 立ち入りが厳しく制限された政府所管あるいは軍事施設、または(実際に行き先にしたくても)訪問が不可能なその他の場所。それでも、たどり着くのが難しい からといって独自の記事を書いてはいけないのではなく - ほとんどの旅行者が決して訪問しない場所ではあっても記事作成を保証された例については、ほぼ到達が不可能な目的地(英語)を参照してください。

ウィキボヤージュでは、基本姿勢として観光スポットや名所、イベントは、それぞれが位置する場所のページに記す方向で進んでいます。詳細は貼り付けることができる場所(英語)をご一読ください。一例として湖なら最寄りの町の「観る」の節、バーや飲み屋はその町の「飲む」の節に示します。

関心のあることがらやイベントが世の中に広く知られているけれども、旅行者には所在地がどの都市や地域なのか知られていないと想定できる場合は、まず、そのことがらの名称をタイトルにしたページを作り、さらに適切な目的地の記事にリダイレクトさせて(英語)から実際の説明を記述します。たとえばタージマハル(英語)アーグラ(英語)に、バーニングマン(英語)という恒例の祭りはブラック・ロック・シティ(英語)にそれぞれリダイレクトします。

例外

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どんなルールにも例外はあり、その点、ウィキボヤージュも例外ではありません。ただし、特定の何かが例外に値すると思っても、注意点はその自説をきちんと弁護できるように考えをまとめておく必要があることです。例外を認めるケースとは、観光スポットや名所やイベントがどの都市からも日帰りするには「遠すぎる」ため1泊しなければならない場合、または「非常に大規模で複雑」で、市の記事に押し込めようとすると、情報があふれて過大な量になる場合。経験則として、見どころや観光スポット、イベントや交通機関の情報は「最初は常に既存の記事に加筆する」こと、その情報が発展しすぎて(3-4段落にふくれあがり)複雑になった段階で初めて、独自ページへ分割すると有効です。一例として特定のテーマパークを独自の記事にしたいと考えたなら、そのテーマパークがある地域もしくは都市の記事を開き、最初は「観る」または「する」の見出し内に小見出し(英語版)として加筆します。その内容を十分に発展させると、別の記事に分割した方が適するか不適切か、理由を実証するのに役立ちます。

ウィキボヤージュでは、ほとんどの意思決定をコミュニティの合意に従って進めており、その上で、一貫性を重視して誤りを防ごうとする努力の方が優先されます。上記で例外について述べましたが、判断の正しさを明確に保証しない限り、例外はめったに成立しません。例外の説明がしてあったからという理由で例外的な記事を書くくらいなら、まずコミュニティに協議を呼びかけ、例外的な記事の作成が適切か不適切か検討しましょう。最小限のコンテンツしかない「例外」記事を見つけると、対処は一般的に既存の都市または地域のページに統合あるいはリダイレクトします(英語版)。

ここでサンプルをいくつか考えてみましょう。

  • マウント・ロブソン州立公園(英語版)は州立または地方自治体制定の公園あるいは記念碑の例。構成が複雑、所在地が辺ぴな場所(公園のテンプレート=英語版を採用した)
……例外は、昼間の利用を想定した都市や地元の典型的な小さな公園に当てはまらない場所。ニューヨーク市英語版)の著名なセントラルパーク (マンハッタン)英語版)のページを読むと、その規模や複雑さや見どころの数は、公園なのに大都市の中の1つの地区](英語)と肩を並べるほどです。
……でも、全体を構成する個別の遺跡の所在地は、人が暮らす都市もしくはその近郊ではない。
……そうは言っても、一軒家とか廃屋が1つだけではない。
……都市の中あるいは近郊にある遊園地やテーマパークとして、ブルックリンのコニーアイランド遊園地(英語版)やコペンハーゲンのチボリ公園(英語版)はどちらも当てはまらない。
……ただの通勤電車で、景観やワクワクするようなお楽しみがついてこないものは除外。
  • スキーリゾートでアスペン(英語版)のように機能が揃い、旅行者がまるで都市に来たように過ごせるところ(宿泊施設や食事どころ、バーや商店がいろいろ選べるなど)
……市内もしくはその続きにあるスキー場は除外。タオス・スキー・バレーは同名の都市(英語版)の中にあり地域社会に根付いていて、「移動する」先はスキー場だけではない。
  • 国際的で大規模なイベント、例えばオリンピック大会(英語版)や、サッカーあるいはラグビーのワールドカップ(英語版では「旅の話題」として扱う)。
……ローカルの試合は除外。地区対抗試合のウィンザーVSデトロイト戦(WindsorDetroit)はインターナショナル・フリーダム杯として都市の見出し扱い。(例外的な大規模イベントも、閉幕後はイベント名をキーワードにして[[Wikivoyage:過去のイベント/イベント名]](英語版なら「[[Wikivoyage:Past events/Name of event]]」)へ移動させること(記事の改名作業)、また跡地に異動先へのリダイレクトを作成すること。)
……しかし、典型的な大都市圏や地方空港は除外。その空港独自のページを作るべきかどうか判断するには、以下の具体的なガイドラインがある。
  • ハブ空港として機能し、多数の乗り継ぎ便が発着すること。単なる離陸地または着陸地の空港に、旅行者が長居する可能性は低いため。
  • 空港施設として食事どころや買い物をする店舗がそれぞれ複数箇所あること。「買う」「飲む」「食べる」の見出しを埋めようとしても内容が揃わない空港は、単独記事として作る価値がないと判断。
関連項目:空港を探検する英語版

旅程型ではない記事

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前述のほか、以下の記事のカテゴリにはそれぞれ個別に記事を割り当てています。

どの分類にも当てはまらない記事には、その他の記事の種別を用意してあります。

判断に迷ったら

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迷いがあるときは水茶屋に相談を投稿するか、単にWikivoyage:思い切って前に進み (英語版) 、記事を立てます。誰かが質問に答えてくれたり、間違いがあったら訂正してくれるでしょう。

関連項目

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