トゥルク


トゥルクフィンランド語Turkuスウェーデン語 : Åbo オーボ)はフィンランドの古都であり、フィンランドの中では最古の13世紀に開発された中世都市です。フィンランド文化の発祥の地であり、フィンランドと世界を結び付ける玄関口としての機能を果たしている重要な都市です。現在も商業と文化の中心地として非常に栄えています。

トゥルクの中心部を流れているアウラ川(フィンランド語Aurajokiスウェーデン語Aura å)は町を象徴する川で、町の中心とも言えます。川辺には美術館やレストラン・カフェなどがたくさん並んでおり、もちろん観光名所も数多くあります。また、国立公園などもあり、トゥルク大聖堂からトゥルク城までをゆったりと散歩することができます。また、河口付近にあるルイサロ島にはオークの森・19世紀に建てられた別荘などがあります。トゥルクに旅行に来る時期を聞かれたら多くの人が夏と答えるでしょう。夏季にはロック祭りや室内楽祭りなどの多くの祭りが開催されます。もしかすると、オーラ川の上でスリル満点のウォーキングができるかもしれません。

知る編集

 
トゥルク大聖堂。

歴史編集

冒頭で説明したように、トゥルクはフィンランド国内では最古の都市で、北欧地域でも有数の古さを誇る都市です。トゥルク市場の広場から北へ数km行ったところにあるコロイネンで誕生し、1150年代にはこの地で交易がおこなわれていたことがわかっています。フィンランド名の「トゥルク」とはロシア古語で「市場」を意味している言葉です。1229年、司教座が移されましたが、アウラ川渓谷の鉄器時代から続く歴史には及びません。イタリアにあるトリエステ(イタリア語Trieste)も同じインド・ヨーロッパ祖語の言葉に由来しています。スウェーデン語のオーボは語源が不明です。「オーラ川(å)の川辺の集落(bo)」よりスウェーデン入植者にÅboと名付けられたという説があります。トゥルク市場のある広場は南海岸の中でも有数の大きさであり、最大ともいえるでしょう。

トゥルク市が設立されたのはローマ教皇が司教座を置いた1229年といわれています。この街の歴史は何度も行われた発掘調査によって明らかになってきており、トゥルク城の築城は1280年代・1300年にはドミニコ会修道院がSamppalinna Hillに建てられた他トゥルク大聖堂ができたのもこの年です。これ以降、トゥルクはスウェーデンの国の中で重要な地位を占める都市となり、スタップル・タウン・チャーター(都市単位で外国と貿易を行える権利)を取得することで非常に貿易が盛んな都市となりました。発展初期にはドイツ系のブルジョワジー(中産階級)が大きな影響を与えており、ハンザ同盟の一員のコミュニティがありました。

スウェーデン王国統治時代のトゥルクは王国最大の重要都市で、フィンランド初の大学が1640年に設立されました。スウェーデン国内では3つ目の大学でした。1809年ロシア統治下となると首都をヘルシンキに移します。トゥルクは1840年代までフィンランド最大の都市でしたが、1827年に大規模な火災が起き、町の多くが焼失しました。このトゥルクの大火(フィンランド語Turun paloスウェーデン語Åbo brand)は北欧諸国の歴史上もっとも大きな火災でした。市街地は跡を留めず、大司教座以外の主要機関がヘルシンキに移されました。焼け野原となったトゥルクの街はカール・ルートビッヒ・エンゲルによる都市計画により別の街へと生まれ変わりました。

気候編集

 気候 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
 
最高気温 (°C) −1.7 −2.1 2.0 8.8 15.5 19.5 22.3 20.5 14.9 8.8 3.0 −0.1
最低気温 (°C) −7.3 −8.3 −4.9 −0.2 4.8 9.3 12.6 11.6 7.2 3.2 −1.6 −5.6
降水量 (mm) 61 42 43 32 39 59 79 80 64 78 76 70
日照量 (hrs/day) 40 75 134 204 284 276 287 230 155 89 38 27

日本語版Wikipediaより
 
2016年のトゥルクの気温

トゥルクはフィンランドの他の地域の気候と同じように、四季がはっきりと四分されており、湿度が高い湿潤大陸性気候に属しています。夏は気温が30℃近くまで上がり、冬は-25℃になることもあり雪が降ります。5月下旬から9月上旬が最も旅行に最適でしょう。もしも冬に滞在中に氷泥と遭遇したら内陸に行ってみると雪が降っているところにいけるかもしれません。トゥルクの中心部でも稀に雪が降ります。

現在の天気予報はフィンランド気象研究所のウェブサイトで閲覧可能です。

民族編集

トゥルクはフィンランドの地方首都でフィンランド国内では3番目、北欧全体でも8番目の人口を持つ都市です。この地域には約33万人の人が住んでおり、2つの大学と4つの応用科学大学があることから国の主要な学術都市になっています。そのため街は学生が多く、レストランやライブハウス、ナイトライフも充実しています。他の都市ではあまり見られない、オーラ川に浮かぶバーは地元の名物です。この街の人々は文化的精神を持ち、一部の住民には1812年にヘルシンキが首都となったことをよく思っていない人もいます。フィンランドの他の地域に行くと、トゥルク出身の者は少し控えめで高慢というステレオタイプなイメージがついています。しかし、市場のある広場へ行けばそうでないことはすぐにわかるでしょう。トゥルクの方言はスウェーデン語の他に歴史的にはエストニア語の影響を強く受けており、エストニア語のように聞こえる部分も稀にあります。

読書編集

  • 『Vares』(探偵小説シリーズ)Reijo Mäki - フィンランドの犯罪小説は、警察の手続きや犯罪による社会的・精神的影響にフォーカスを当てています。しかし、Reijo Mäkiはこの探偵小説の主人公であるJussi Varesという私立探偵にフォーカスを当てており、彼は酒を飲んで恋をして人を殴って襲われる、典型的なハードボイルド小説の探偵です。この本の舞台は全巻で共通してトゥルクで、著者はトゥルク出身です。Mäkiはこの街での有名人で、お気に入りのバーである「Uusi Apteekki Pub」で見かけることも屡々あるでしょう。
  • 『THE HOME OF DARK BUTTERFLIES』リーナ・ランダー - これは、とあるトラウマを抱えた14歳の少年、ジュハニを描いています。彼は6年間里親や一時的な家族の間を往来しており、安定した生活など夢のまた夢でした。そんな彼は「島」と呼ばれる遠隔地の保護施設に入りますが、彼はそこの管理人であるOlavi Harjulaの冷徹さをまだ知りません。この島にはハルジュラや6人の少年の他、管理人の妻であるイレーネ、その2人の娘、そして家畜の世話と食事の仕出しをするTynneが住んでいます。

この話の舞台である島は実在し、孤児院も1968年まで存在しました。2008年には映画化も行われており、トゥルク群島の実際の島で撮影が行われました。この映画は2008年のアカデミー賞の外国語映画賞にも選定されています。

着く編集

飛行機で編集

トゥルク空港TKUIATA
 
トゥルク空港でフィンエアー(フィンランド語Finnair Oyj)のヘルシンキ行きの便。
  • 1 トゥルク空港   (TKUIATA) (トゥルク市街地から北に約8km。)。 「そこまで大きくない印象の空港で、2つのターミナルから搭乗します。    

フィンランドの航空会社であるフィンエアーはヘルシンキ・ヴァンター国際空港HELIATA | フィンランド語Helsinki-Vantaan lentoasemaスウェーデン語Helsingfors-Vanda flygplats)とトゥルク空港の間を数時間おきに往復しています。スカンジナビア航空(フィンランド語スウェーデン語Scandinavian Airlines)はストックホルムフィンランド語Tukholmaスウェーデン語Stockholm)やキッティラ(フィンランド語Kittiläイナリ・サーミ語Kittâl北部サーミ語Gihttel)からトゥルクへ、エア・バルティック(英語AirBaltic)はトゥルクとリガ(ラトビア語Rīgaロシア語Ригаエストニア語Riiaリトアニア語Ryga)を結んでいます。上記航空会社はトゥルク空港第一ターミナルから発着しています。なお、第二ターミナルはグダニスク(ポーランド語Gdańsk)やカウナス(リトアニア語Kaunasラトビア語Kauņaポーランド語Kownoロシア語Каунас)、クラクフ(ドイツ語Krakauフランス語 : Cracovie)・スコピエ(マケドニア語Скопје)などとトゥルクを行き来するウィズエアー(WizzAir)が使用しています。

空港から20分おきに出発しているバスライン1は、トゥルクの市街地を通りトゥルク港までを結んでいます。沿線にはいくつかホテルがあります。チケットは車内で3€/1.50€で売っています(2時間は無料、詳細は移動する節を参照)。一日の最後のバスは、最大15分も出発を遅らせ、乗客が間に合うように工夫しています。最終バスは、トゥルク港まで行かずマーケット広場で終点です。

ヘルシンキ・ヴァンター国際空港HELIATA

飛行機では、国際線が多く通っているヘルシンキ・ヴァンター国際空港(HELIATA)の方が便利です。トゥルクはヘルシンキから166kmほど離れており、列車やバスを利用することで簡単にトゥルクに来ることができます。自動車を利用する場合、国道1号線で約1時間40分かかります。

ヘルシンキ・ヴァンター国際空港からトゥルクまでは、ヴァイニオ社が運営するエクスプレスバスが1時間ごとに走行しており、国際線ターミナルの54乗り場 (確認必要) から運行されています。通常はAirBusで出発し、2 Turvesolmuでヴァイニオ社のバスに乗り換えられます。24時間運行ですが、深夜帯は1時間間隔ではなく2時間間隔です。所要時間は最短で約2時間15分ですが、途中の街を観光すると2時間55分ほどかかります。

Onnibus.comOnniflyerは安くて速い(2時間)ですが、1日に8往復しか運行されていません。Onnibusは赤い2階建てのバスで、無料Wi-Fiも常備されていますが、足元のスペースが狭いのが欠点です。第二ターミナルの前にある23プラットフォームと24プラットフォームより運行されています。乗車チケットは事前にネットで予約することでさらに安く購入が可能です。

困ったときは編集

トゥルクにはTurku Touringという公式観光局があります。より広い地域にも対応しています。

  • 1 Visit Turku  Aurakatu 2 (市役所の隣、オーラ橋の近く。混雑時には裏口も利用できます。)、 +358 2 262-7444fax: +358 2 262-76799~3月 : 10:00~15:00、4~9月 : 平日 : 08:30~18:00 / 土曜休日 : 10:00~18:00。 「旅行者に対するアドバイスの他、観光ツアーや地図・ガイドブックの配布、お土産の販売や自転車レンタルについての説明、グループでの外出など様々な事を行っています。

観る編集

 
トゥルクの地図

市内の観光名所の大半は、マーケット広場から半径1~2km内にあります。トゥルクのシンボルである中世のトゥルク城と、フィンランドの文化を代表する大聖堂であるトゥルク大聖堂がその代表です。しかし、もう少し控えめな宝物もあります。Aboa Vetus & Ars Nova(美術館)は、トゥルクの中世の歴史と文化を展示し、現代アートが多く所蔵されています。ルオスタリンマキ(フィンランド語Luostarinmäenスウェーデン語Klosterbacken | 直訳 : 修道院のある丘)は、1827年のトゥルク大火を唯一生き延びた街の中でも重要な地域です。現在は屋外にあるルオスタリンマキ手工芸品博物館(フィンランド語Luostarinmäen käsityöläismuseoスウェーデン語Hantverksmuseet på Klosterbacken英語 : Cloister Hill Handicrafts Museum)があります。生物博物館には、様々なフィンランドの動物を紹介するジオラマがあります。また、美術館には19世紀の国民意識覚醒期の品々と(19世紀、フィンランドはロシアからの支配を緩めることに成功している)、近代的な作品が展示されています。Museokorttiカードを持っていると、ほとんどの博物館に無料で入場することができます。

  • 1 Aboa Vetus & Ars Nova  Itäinen Rantakatu 4–6 +358 20-718-64011:00~19:00。 「Aboa Vetus & は、歴史と現代アートを組み合わせたもので、Aboa Vetusはトゥルクの歴史について、子供でも楽しめるよう工夫を凝らして紹介しています。Ars Novaは現代美術館です。Aboa Vetusの常設展では、中世のトゥルクの人々の生活を展示しています。この博物館は、考古学的に発掘された石造りの建物の廃墟で作られています。かつて地下に埋もれていたトゥルクの中世の街並みを、今では実際に足を踏み入れて歩くことができるのです。入口にトゥルク最大のミュージアムショップ、ローレンティウスショップがあります。宝石、アクセサリー、おもちゃ、カード、本などのお土産を主に販売しています。また、博物館内にはMキッチン&カフェがあり、ブランチはトゥルク市民の間で特に人気です。また、夏はlinnateatteriという劇団が博物館の中庭でコメディを上演しています。.10/7/5.50ユーロ、家族購入で24ユーロ、7歳以下は無料
  • 2 植物園  Ruissalon puistotie 215 +358 2 276-1900屋内 月~水 : 10:00~17:00、屋外 月~水 : 08:00~20:00。 「ルイスサロ島にあるトゥルク大学内の植物園は、科学研究の中心地であり、面白い植物界について理解を深めることのできる公共施設でもある。屋外と屋内の庭園に合計5000種以上の様々な植物が展示されています。温室では、多肉植物や熱帯植物などが多く展示されています。温室の隣には屋外庭園があり、食用植物、バラ、草原の花、rock plants、樹木や低木などが多くあります。この植物園のもう一つの魅力は、スイレンや湿地植物がある池です。園内にはカフェテリアもあります。.屋内6/4ユーロ or 無料、屋外は無料
  • 3 生物博物館  Neitsytpolku 1, 20800 Turku +35822620340月~水曜日 : 09:00~17:00、月曜閉館。。 「トゥルク生物博物館は、木造のアール・ヌーヴォー式の建物に作られた生物博物館です。フィンランドの動植物を13の場面に分けて展示しています。また、フィンランドでよくみられる哺乳類30種と鳥類136種も展示されています。生物博物館は、フィンランドの自然や文化史に興味がある人ならば誰でも楽しめるでしょう。この博物館は1907年に開館し、現在展示されているほとんどのジオラマは開館当初の時期のものです。また、展覧会や年間のイベントも開催されています。この博物館は、学校にも人気があり、小さな子供たちも楽しめるでしょう。ミュージアムショップでは、ポストカードやポスター等、博物館に関連したさまざまな物を販売しています。博物館の隣には、緑豊かなトゥルクの市立公園があります。.大人 : 5ユーロ / 子供 : 3ユーロ。7歳以下は無料、家族では13ユーロ。

繋がる編集

SparkNetというフィンランド最大のWiFiネットワークが存在します。市内の学校や大学の学生、市の職員は利用が無料です。それ以外の利用希望客は、SparkNetのウェブサイトから購入することができます。参加機関の学生や職員は、Eduroamネットワークを通じて無料でWiFiが利用できます。

トゥルクには、SparkNetのほかにもWiFiがある場所がたくさんあります。ほとんどのカフェやバーでは、無料でワイヤレスによりインターネットに接続できます。また、レストランでも無料のWiFiが利用できるところが多いですが、その店で何か注文するべきでしょう。

出かける編集

  • 多島海(フィンランド語Saaristomeriスウェーデン語Skärgårdshavet) - フィンランドの有名な観光地の一つ。島の数で世界最多ともいわれている場所。
  • クリエンラハカ国立公園 - クリエンラハカは、地域最大かつ最も多様性のある泥炭地帯であり、公園内には湖や原生林があります。公園で最も著名なのは、8自治体の古い境界でしょう。日帰りで行くことが可能ですが、ハイキングをしに行くと2~3日かかります。2018年より、夏にローカルバスが運行されるようになりました。
  • ナーンタリ - ローカルバスで20分ほど行くことでフィンランド大統領の離宮「クルタランタ」、テーマパーク「ムーミンワールド」、美しい木造の旧市街があります。
  • ラウマ - ユネスコ世界遺産に登録されている旧市街。トゥルクから1時間半ほどでバスで行くことができる。フィンランドの中で3番目に古い街。
  • オーランド諸島 - スウェーデンからオーランド諸島へのフェリー(日帰り便・夜間便)が出ています。ストックホルムは10時間、マリエハムンは5時間ほどの所要時間です。
トゥルクを通る路線
END  西     カーリナヘルシンキ
ポリラウマ  北西   南東  END
ストックホルム   西     カーリナヘルシンキ
END  南西   北東  ロイマータンペレ