日本にある世界遺産のひとつ
白川郷・五箇山の合掌造り集落(しらかわごう・ごかやまのがっしょうづくりしゅうらく)は、飛騨地方と越中地方(南部)にある木造の多層住宅(合掌造り)の集落群。豪雪地帯で知られ、庄川の上流側が白川郷、中流側が五箇山。日本で6件目の世界遺産で、登録は1995年(平成7年)12月9日、区分は文化遺産。
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編集掌(手のひら)を合わせたように丸太を三角形に組む工法を「合掌」と呼び、原型は17世紀末(江戸時代中期)に生まれたと推測される。屋根の傾斜はおよそ45度から60度まで見られ、初期のものほどゆるい。雪下ろしの作業を減らしたり、雨も多いため藁葺きの水はけを考えてある。屋根の妻は南北方向である。
それぞれの家の中で手工業を行い、和紙をすいたり、蚕を飼って糸をとったり、塩硝(火薬)を作った。1935年(昭和10年)春、ドイツの建築家ブルーノ・タウトは白川村を訪れて、合理的な構造の建築という特徴に着目した。
白川郷は岐阜県の日本海側に位置する「飛騨高山地方」にあり、五箇山(富山県南部)と文化や経済の結びつきが強い。別名を「荘白川」(しょうしらかわ)という白川郷にも、五箇山にも平家の落人伝説が伝わる。白山の修験者とも縁が深い。
世界遺産に登録され人の暮らしが続く村落は、1987年のホッローケー(ハンガリー)、1993年のヴルコリニェツ(スロバキア)に次ぐ3件目。
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編集合掌集落はすべて、庄川沿いの国道付近に建つ。
- 白川郷
重要伝統的建造物群保存地区がある(1976年選定=昭和51年)。
- 荻町集落 登録面積は45.6ヘクタールで、世界遺産登録面積のおよそ3分の2。中央を白川街道が通る。
- 和田家住宅 江戸時代の名主の家。塩硝の取引で栄えた。
- 野外博物館「白川郷合掌村」
- 五箇山
国の史跡の建造物がある(1958年指定=昭和33年)。
- 村上家住宅
- 羽馬家住宅
- 岩瀬家住宅
国の史跡(1970年指定=昭和45年)、重要伝統的建造物群保存地区(1994年選定=平成6年)。
- 相倉集落
- 菅沼集落