MediaWikiというソフトウェアが、ウィキペディアを含むウィキメディア・プロジェクトを動作させています。ウィキの一種で、ブラウザを利用してハイパーテキストを簡単に複数の編集者で共同編集するためのシステムです。MediaWikiを用いて、編集や表示のための高度な環境を実現しています。

#外部リンクに、MediaWikiの仕様変更や機能更新の概要へのリンクがあります。

MediaWiki概要

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MediaWikiは、オープンソースのウィキサイト構築用ソフトウェアであり、継続的に機能の改善(バージョンアップ)が進められています。もともとはウィキペディア用のソフトウェアとして開発されました。現在では、無償でインストールができることもあり、ウィキメディア・プロジェクト以外でもさまざまな個人・組織がMediaWikiを利用してウィキを立ち上げています。

MediaWikiの開発は MediaWiki.orgphabricator にて開発者が行っています。また、MediaWikiでは拡張機能を追加することで、さまざまな機能を追加できますが、その開発や利用も主に同じ場所で多くはオープンソースとして行われています。

MediaWikiの利用や管理方法、また開発への参加などについては MediaWiki.org を参照してください。MediaWikiのダウンロードや、最新版リリースなどといったニュースの確認もここからできます。Sites using MediaWikiには、MediaWikiを利用しているサイトの例が掲載されています。

MediaWikiやその拡張機能の翻訳は、MediaWikiの開発者である Nike と Siebrand が開設している translatewiki.net というサイトで主に行われています。

ウィキボヤージュ日本語版の使用するMediaWiki

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ウィキボヤージュ日本語版で現在使用しているMediaWikiのバージョンは 1.44.0-wmf.8 (f08e6b3) です。特別:バージョン情報では、さらに詳しいバージョン情報や追加されている拡張機能が表示できます。

ウィキボヤージュを含むウィキメディア・プロジェクトにおけるMediaWikiの設定やメンテナンスは、ウィキメディア財団のシステム管理者が行っています。

ウィキボヤージュの機能は、そのほかスタイルシートやスクリプトによって追加・変更できます。例えば、Mediawiki:Common.cssMediawiki:Common.jsの記述は、すべての利用者の外装(画面表示)に反映されます。スタイルシートスクリプトは、インターフェース管理者が変更できます。利用者個人でスタイルシートやスクリプトを編集するには、ヘルプ:スキンヘルプ:利用者ページを参照してください。

ユーザー・インターフェース

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ユーザビリティ(使いやすさ)でいえばヤコブ・ニールセンの原則や[1][2]ウェブデザイン標準[3]が参照されています。ウィキメディアのユーザー・インタフェースの部品の標準化が行われており、ウィキペディアの記事、Mediawikiの文書、メタウィキなど、テンプレートやページなどをまたがって同じように見え理解できることを目的としています[3]

アクセシビリティはスクリーンリーダーや色覚異常でも大部分にアクセスできることです[3]。またモバイル機器のタッチスクリーンでも操作しやすいものを目標としています[3]

またウィキペディア・ユーザビリティ・イニシアティブは、使いやすさについての調査を行ってきており、その調査は以下のようなMediawikiの機能に関与してきました。

  • 「ベクター」という名の外装:2010年に標準となった、サイトを表示するデザインです[4]検索機能も調査を基にボタンが統合され上部へ移動し、検索幅もニールセンの推奨する幅に近づいた[5]
  • 改良型の編集ツールバー:2010年に標準となった[6]
  • ビジュアルエディター:2013年より各言語版に導入されている[7]。日本語版では、ベータ版を経て2016年5月に広く導入されました。
  • 文字体裁の更新:2014年、ベクターの文字表示が更新されました。可読性、端末によらない一貫性、アクセシビリティが考慮され、記事本文ではフォントサイズが読むのに不適な 0.8em ではなく、0.875em へと引き上げられました。文字色も「真っ黒」から「黒い灰色」へと変更されています。

機能の不具合報告や機能改善の提案

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ウィキペディアで機能の不具合と思われる現象があった場合は、バグの報告を確認してください。回避方法や修正の進ちょくなどが記載されているかもしれません。類似の現象についての記述がない場合は「バグの報告」に追加してください。バグであることが確認されれば、更に Bugzilla やメーリングリスト、チャットなどを通じてシステム管理者に連絡をします。

なお、バージョンアップやサーバーの不具合などといった理由で、一時的に閲覧・編集に支障が生じることがありますのでご了承下さい。アクセスが過剰な時などには、一時的に接続できず、エラー画面が表示されることがあります。このような時には、しばらく待ってから再接続してみてください。サイドバーの表示などがおかしくなることもありますが、これも一時的なもので、しばらくすると通常に戻ります。

また、機能改善の提案はWikivoyage:水茶屋で、類似の議論がないかを確認してから行ってください。

出典

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  1. Heuristic evaluation of visual editing on iOS and Android phones (Mediawiki, 22:09, 28 January 2016)
  2. VisualEditor/Usability (Mediawiki, 17:11, 14 May 2015)
  3. 1 2 3 4 Wikimedia User Interface (Mediawiki, 11:12, 2 March 2016‎)
  4. Skin:ベクター (Mediawiki, 04:06, 19 March 2016)
  5. Erik Moeller (2015). "Usability: Why Did We Move The Search Box?". 2016年03月31日閲覧
  6. m:Help:Edit toolbar (Meta-wiki, 03:19, 16 February 2016‎)
  7. VisualEditor (Mediawiki)

関連項目

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外部リンク

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  • MediaWiki - 日本語版ウィキペディアの記事、「歴史・変更点」節にバージョンごとの仕様の変更が書かれています。
  • MediaWiki.org 公式ページ - マニュアル、拡張機能、ニュースなど、編集のためのMediaWikiの技術的な仕様が知りたい際の情報があるかもしれません。
  • phabricator(英語) - 実際の実装や問題の報告はここでやり取りされています。
  • translatewiki.net - システムの翻訳はここで行われています。ご参加ください。
  • m:MediaWiki - メタウィキメディアでの解説ページ
    • 技術ニュースの最新号 - 週刊ニュースとなっており、最近の機能更新やお知らせの概要が示されています。未翻訳の場合もあります。
    • m:Category:MediaWiki - メタウィキにおけるMediaWikiのカテゴリー